イボを治すのに液体窒素は効果的?回数や痛み、経過などのまとめ

マイナス196℃の液体を綿棒などに染み込ませ、イボのできている皮膚に押し当てることで治療していく液体窒素療法。
日本で行われているイボ治療のなかでももっとも一般的で効果の高い治療方法と言われています。

でも、通院を前に『痛いのかな…』『本当に治るの…?』『どれくらい通わなくちゃいけないのかな…』
と不安を抱えている人も多くみられます。

ここでは実際にいぼ治療を受けた人の体験談をもとに、治療期間や痛み、効果などを徹底調査しました!

液体窒素でイボが治るしくみ

ウィルスに冒されているイボの部分を液体窒素で急激に冷やす(低温やけど)ことで皮ふ表面の異常組織を壊死させます。
やがて皮膚の表面が死に、その下から新しい皮膚が再生します。

これを繰り返していくうちに、皮膚の奥にひそんでいるウイルスが段々と表面に押し出され、皮膚の中から消滅します。

このような「凍結」「融解」を繰り返す液体窒素の治療法は『凍結療法』『冷凍凝固法』とも呼ばれています。
ちなみに、窒素は空気中の80%を占める気体なので、蒸発した液体窒素を吸い込んでも人体に害はありません。

ウイルス性のイボに液体窒素が効く!

一見、同じように見えるイボでも、主に「老化や肌への刺激を原因」としたもの、「ウイルスが原因」のものとがあります。

このうち液体窒素治療で効果が高いのがウイルス性いぼと言われています。

ウイルス性のイボってどんなもの?

ヒトパピローマウイルス(HPV)が皮膚や粘膜に感染して突起物を生じさせるもので、100種類以上あると言われています。

特に手や足などの傷口から皮膚内部へと進入し、基底細胞(表皮の一番奥にある層)にまで感染すると“いぼ”を作り出すと考えられています。
感染した基底細胞は細胞分裂が活性化、周辺の正常な細胞も侵食してしまうので、次々とイボが増加します。

ウイルス性のイボは特に免疫力や肌のバリア機能が低下している人や抵抗力の弱い子どもに多くみられます。

それでは代表的なもの5つ、見ていきましょう。

①ウイルス性疣贅・尋常性疣贅

ウイルス性疣贅(ゆうぜい)・尋常性疣贅(ゆうぜい)は手のひらや足の裏に多く見られるイボ。
あまり盛上がらずに表面がざらざらしているのが特徴です。
痛みやかゆみなどといった自覚症状はほとんどありません。

魚の目やタコと間違われることもありますが、表面に黒い血豆のような点々が見えることに違いがあります。

放っておいてもなかなか治らずどんどん増えるのも大きな特徴。
いくつかの疣贅が癒合して敷石状になったものをモザイク疣贅、顔や首では細長い突起を作ることが多く、糸状疣贅と呼ばれます。

②扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)

青年期にできることが多く、特に女性に多く見られるウィルス性のイボ。 
顔にできることが多く、名前のとおり表面はなめらかで先端が平らなのが特徴です。
大きさは米粒よりも少し小さい程度で、肌の色と同じか淡い茶色をしています。

老人性疣贅(老人性いぼ)と間違われる場合がありますが、青年期に多いこと、老人性いぼのように突出した形状でなないことに違いがあります。

放っておくとどんどん増えていったり、治療しても治りにくい場合があります。

③足底疣贅(そくていゆうぜい)

足の裏にできた小さな傷口からウイルス感染することで起こるイボ。

灰色や茶色で、表面が粒上にボコボコしているのが特徴です。
たこや魚の目との違いは、よく見ると血管の断端が点々と見えること。

足底疣贅の場合は、体重がかかって、いぼが皮膚にのめり込んでしまうので、立ったり歩いたりしたときに痛みます。
また足底は皮膚が厚くて固いので治療に時間がかかります。

④尖圭(せんけい)コンジローマ

外陰部や肛門の周囲にでき、色は白やピンク、褐色などで大きさは1~3㎜から数㎝と様々。
鶏のトサカのような形や花キャベツ状になることもあり、増殖します。

特に20代に多くみられ、感染率が高いのが特徴。

ヒトパピローマウイルスによる性感染症の一種ですが、痛みやかゆみといった症状が少ないため、気づかずに感染を広げてしまうことも。

初期の段階では液体窒素による治療が効果的ですが、大きくなると炭酸ガスレーザーや電気メスでの外科的切除が行われる場合もあります。

⑤水いぼ

正式な名称は「伝染性軟属腫」(でんせんせいなんぞくしゅ)と言い、皮膚や粘膜にできる良性のウイルス感染症です。

顔や手足、脇、股など身体のどこにでも発症し、肌色もしくは周りに少し赤みがある半球状に盛り上がった小さいブツブツができます。
大きさは粟粒大から5㎜程度で、光沢があり、中が透けて白い芯のようなものが見えるのが特徴。

3~15歳前後の児童期によく見られます。
子どもが集団行動をする場所で、皮膚どうしの接触が大きな感染原因となるようです。

水いぼの中にある白い固まりにウイルスが含まれているので、搔きむしってしまうと感染が広がってしまう恐れも。

病院ではピンセットで芯を取り除く治療や液体窒素による治療の他、ヨクイニンなど飲み薬による治療も行われています。

液体窒素療法のメリット・デメリット

このようなウイルス性のイボに効果が高いとされる液体窒素療法。
他の治療法と比べてどんなメリットデメリットがあるのでしょうか?

メリット

  • 保険が適応できるため低料金で治療できる(1回の治療費1000円以内)。
  • 特別な器具などが必要ない簡単な治療法なので、大抵どこの病院でも行っている。
  • 小児でも治療できる。
  • 1回の治療時間が5分程度と短い。
  • 他の治療に比べ、比較的効果が高い実績がある。
  • 炎症反応による抗ウイルス効果で、ウイルスに対する免疫力を上げる効果も期待できる。

デメリット

  • 治療中、治療後に激しい痛みを感じる場合がある。
  • 何度も通院しなくてはならない。
  • 治療により大きな水ぶくれができると、生活に支障がある場合も。
  • 液体窒素を押し当てる強さや時間によって効果に差がある。
  • 治療後、患部がタコのように硬くなったり、色素沈着、色素脱失を起こす可能性がある。
  • 顔や首など、目立つ部位のイボの除去には適さない。
  • 再発の可能性もあり。

どれくらい病院に通えば治るの?

液体窒素療法は一度でイボがすべてとれることはなく、数回続ける必要があります。

治療と治療の間に3週間以上あけてしまうと、治療効果が落ちるため、1週間に1回の通院が基本。

顔や腕、脚の皮膚の薄い部分なら治療回数2〜3回でおおよそ半月。

手のひらや足の裏、爪の周囲、首など皮膚の厚い部位の場合は、10~15回程度の治療を必要とすることが多く3ヶ月~半年以上。

治療が進んでいくと、見た目の悪化にショックを受けてしまうことがありますが、治療を諦めないことが肝心です!

さらに治療が進むと、見た目にはイボが治っているように見えますが、皮膚の奥深くに芯が残って再発する場合があります。
自己判断ではなく、必ず皮膚科医の指示どおり通院を続けることが重要です。

痛みはどれくらい?

マイナス196℃という超低温度の綿棒を患部にあてられると、一瞬、熱さやピリピリとした痛みを感じる人も。
ただし、患部へあてる力の強さや時間でも異なり、痛みの感じ方は人によって様々。

綿棒ではなく、スプレー式で液体窒素を吹きかける方法もありますが、こちらのほうが蒸気が細かいため、痛みが少ないようです。

また施術中よりも後のほうがヒリヒリするという人も。
特に足裏の場合は全体重がかかるため、術後の痛みを感じることが多いようです。

どんなふうに治っていくの?

▼治療後1〜2日
液体窒素をあてた部分に一部水ぶくれが生じ、ピリピリとした痛みが出ることがあります。

▼治療後5日
水ぶくれがカサブタになりはじめます。

▼治療後7日
角質が少し黒褐色になったり、血豆やさらに水ぶくれができることがあります。

▼治療後8~10日
皮膚の新陳代謝とともに、水ぶくれは乾き、血豆は黒いかさぶたになって、イボと一緒に剥がれ落ちていきます。
この段階ではまだ傷が残っていますが、皮膚が完全に治った後で、イボがなければ治療は終了。
イボが残っていれば再度、液体窒素治療を行います。

治療終了はもうすぐ!

水ぶくれや血豆の後、以下のような状態になれば治療終了も目前です!
ただし、治療を続けるかどうかは自己判断せず必ずお医者さんの指示に従います。

  • ピンク色の肉の部分が見える。
  • 指紋がはっきりと見え平らになる。
  • いぼのあった部分が少し陥没する。

治療中に注意すること

①水ぶくれやカサブタをいじらない!水ぶくれやカサブタができるのは治癒がすすんでいる証拠。
ムズムズ気持ち悪いからと自分で無理にはがすと、いぼが拡大したり、治りが悪くなったり、周りに感染を広げる危険も。
自然に取れるまで、必ず処方されたお薬を塗って、ガーゼで保護(お風呂のときは絆創膏で保護
)しましょう。

水ぶくれが腫れて痛い場合は、<必ず皮膚科で処置/span>します。
痛みが続いたり大きな血まめが出来た場合も早め病院へ行きましょう。

②紫外線対策も重要!
いぼがとれた時点のピンク色の皮膚はとても敏感な状態になっています。
色素沈着を防ぐために直接日光にさらさないように注意しましょう。

子どものイボにも液体窒素は大丈夫?

液体窒素治療は最も安全で効果的なイボ取り治療法とされ、小児でも治療できるのがメリット。 
皮膚が薄い子どもは大人よりも治療効果が高いと言われています。
ただし、皮膚が薄いだけに強く痛みを感じて泣き出しだり逃げ出したりしてしまうことも。

最近では痛みを感じない飲み薬による治療を取り入れる場合もあります。

痛い治療が苦手な人や通院が難しい人は?

子どものように痛みを感じやすい人や「忙しくて1週間に1回の通院はムリ!」という人は以下のような治療法もあります。
ただし、液体窒素治療(凍結治療)に比べると効果が弱いため、気長に続ける必要があります。

ヨクイニン内服

ヨクイニンの原料であるハトムギにはたんぱく質やカルシウム、ビタミンB群など様々な栄養素が豊富に含まれています。

これらの成分が身体の免疫反応を活性化することにより、いぼを消退させる効果があると言われ、古来よりイボ治療に使われてきました。

漢方の中でも飲みやすく、副作用もほとんどないため、子どものイボ治療にも取り入れられています。

ヨクイニンは皮膚科で保険治療として処方可能ですが、効果が表れるのに 2ヵ月~半年程度飲み続ける必要があります。

スピール膏(サリチル酸絆創膏)貼付

イボを軟化させ、はがれやすくする軟膏をイボに直接貼るもの。
液体窒素治療(凍結治療)に比べ痛くないものの、ウイルスに感染した基底細胞に作用してイボを完治させる作用は弱くなります。
液体窒素療法(凍結治療)と組み合わせて処方されることもあります。

モノクロロ酢酸・トリクロロ酢酸の塗布

酸の一種である強い薬剤を塗布することにより、イボを腐らせていく方法。
液体窒素では治りにくいイボや足底の難治性イボに効果があると言われ、痛みが少ないのがメリット。
ただし、液体窒素療法などに比べて治療期間が長くなること、保険適用外の場合が多いというデメリットも。

ビタミンD3軟膏の塗布

皮膚が硬くなる“角化症”と呼ばれる治療に使用する活性型ビタミンD3軟膏を塗るといぼが取れる場合があります。
1日2回ビタミンD3軟膏をいぼ部分に塗り、絆創膏などで密封します。
痛みは少ないものの、保険適用ではなく、治療期間も長くなるのが難点。

硝酸銀の塗布

硝酸銀と呼ばれる、たんぱく質を変性させてウイルスを不活化させる薬を、いぼの先に綿棒などで塗るもの。
古代エジプトでも用いられた最古の医薬品の1つで安全性も高いため、乾燥すると黒くなり、2週間程度でいぼがポロッと取れていきます。
原則として保険が適用され、通常は液体窒素療法(凍結療法)と合わせて行う場合が多いようです。

“ただのイボ”と放置せず早めの治療を

痛みも痒みもほとんど感じないイボは「目立たない部分だし…」「小さいし…」と放置してしまうことも多いようです。
しかし、いぼの種類や原因によってはその症状が悪化してしまう可能性もあり、人にうつしてしまう危険があります。

初めのうちは、表皮基底部にあるいぼの芯も、放置して時間がたつと毛穴や汗の腺の奥に入り込むと言われています。
こうなるとますます治療に時間がかかってしまいます。

液体窒素治療はどこの皮膚科でも取り入れられている一般的で効果も高い治療法。
早めの治療開始がイボ完治の一番の近道です!
できるだけ早く病院に行くようにしましょう。

また、イボの大きな原因でもあるウイルスに負けないように、日頃から抵抗力のある体づくりも心がけましょう。